発音について学んでいると「リダクション」と聞くかもしれません。
goodを「グッ」と発音するものリダクションで、ネイティブは常にこの発音法則を使って話しています。
リダクションを習得すれば、ネイティブの速い英語が、もっと聞き取れるようになります!
そこで今回は、【リダクションの法則や練習例文】を紹介します。リダクションを制してリスニング力&発音力をあげましょう!
英語のリダクションとは
リダクションとは、特定の音を脱落させたり短く・弱く発音する、英語の発音ルールの一つです。
ネイティブは、音を繋げたり発音しないことで、口を動かしやすくなり、英語をより速く話すことができています。
英語のリダクションの規則・ルール
破裂音p/ t/ k/ b/ d/ g
破裂音は脱落したり、聞こえるか聞こえないか程の弱い発音になります。
破裂音 | |
無声音 | p / t / k |
有声音 | b / d / g |
これらの文字を、単純に発音しないのではなく、音が脱落しても「間」は取ります。(「間」すらなくなるケースも一部あります)
代わりに小さい「ッ」が入るイメージで言うと、発音しやすいですよ。
破裂音が脱落するルール
- 単語の頭の破裂音は、ふつうに発音する
- 単語の最後にあるときは、脱落させる
- 単語の中にある破裂音も、脱落する場合も
破裂音で終わる単語<例> | 発音 |
up | アッ |
sleep | スリー |
what | ワッ |
but | ガッ |
check | チェッ |
job | ジョッ |
and | スタンッ |
should | シューッ |
going | ゴーインッ |
costcoも「コストコ」ではなく、tを完全に消して「コスコ」と発音します。
これらの破裂音は、脱落せずにリンキングする(次の音とつなげる)こともあります。
- And I エンナイ
dが消えて、nとIが繋がる - And I エンダイ
dは残して、dとIが繋がる
“And I”はどちらの発音でもOKで、ネイティブも人によって違います。
応用編
- absolutely アブソル―ッリー
- definitely デフィニッリー
“nt”は脱落+音変化
リダクションのルールで見落としがちなのが、”nt”が付くパターンです。
単語の中にntのセットがあると、以下の2つが起きて発音が変化します。
- 単語の中の” t “が消える
- nと次の母音が繋がる
“nt”で発音が変わる例 | 発音 |
winter | ウィンナー |
center | センナ― |
wanted | ワンネッd |
Internet | インナーネッt |
international | インナーナショナル |
identity | アイデンニリー |
twenty | トゥエニー |
Santa Clause | サンナ クローズ |
簡単な単語もたくさんありますね。
だいぶ発音が変わるので、聞き取れない人が多いです。このリダクションのパターンを知っていると、聞き取れるようになりますよ!
(このntの発音変化を「tの音の変化=フラッピング」と捉える人もいます)
“nt”がある全ての単語が、該当する訳ではありません。
リダクションがない単語<例>
- contact
- interested
- volunteer
該当単語を暗記するより、何度も発音練習することで、初めて言う単語でも自然とntのリダクションを適応できるようになります!
Heの”h”
he/ his/ herなど、代名詞の”h”も、リダクションになります。
- Is he -? イズ イー
- like her ライク アー
- told him トード イム
日本人からすると、hをちゃんと発音しているように聞こえても、ネイティブは脱落して話している場合が多いですよ。
無くても意味が伝わる単語
会話する上で、「文の意味の理解にあまり重要でない単語」=相手が聞き取れなくても問題ない単語は、リダクションが起きます。例えば
- a
- the
- to
- of
- and
などは一般的にとても弱く言うか、速い会話では、ほぼ発音しないこともあります。
なので、実際にI went to the store and bought a book. の赤い単語は、聞こえるかどうかの程度に、弱く発音します。
単語をリダクションしないケース
このリダクションは、【意味の理解に影響がない言葉】が前提です。
そのため、theやa, andでも「相手にちゃんと伝えたい」という話し手の意図があれば、強くはっきり発音します!例えば、
I went to THE store and bought A book.
THEを強調していえば、「あの」お店に行ったよ!という意味になりますし、Aを強調すると「一つだけ」買ったよ!と表現できます。
リダクションを使い分けられると、強弱だけでも文の意味を変えられるんです。
同じ子音が続くとき
破裂音(p/ t/ k/ b/ d/ g)以外の子音でも、リダクションが起きるケースがあります。
それは、同じ子音が続くときです。例えば、
- this size ディ サイズ
- with the ウィ ザ
文字通り全部言おうとすると、同じ子音が続いて言いにくいですよね。
元々リダクションは、速く言いやすくするための発音変化です。なので、同じ子音が連なるときは、言いにくさを解消するために、まとめて発音します。
リダクションを使った例文
紹介した5つの法則を使って、リダクションを練習してみましょう!
リダクションのルールをまとめると、音を言わない・弱く言うのは以下の5パターンです。
リダクションを使った例文
- 赤字は脱落
- 青字は弱く(短く)
What time does he go to school?
彼は何時に学校行くの?
You shuold tell her the truth.
彼女に本当のこと言った方がいいよ
This smartphone isn’t connected to the Internet.
このスマホはネットに繋がっていません
上手く言えましたか?
口が慣れるまでは、逆に言い難く感じたり、ゆっくりになるかと思います。
何度も練習すると速くネイティブのように言えるようになりますよ!
英語のリダクションを習得するメリット
リダクションを習得すると、これらの効果があります。
- 速い英語を聞きとれるようになる
- 速く話せるようになる
発音するものが少ない方が、物理的に速く話せますよね。なので、速く話す人ほど、リダクションをしています。
リダクションに慣れるとネイティブ同士の会話や、映画、ドラマなど、リスニング力が必要なものも、より聞き取れるようになります。
また、リダクションを習得すると、自分自身も速くスムーズに英語を話せるようになります。
音を脱落させたり繋げたり、慣れるまでは練習が必要ですが、ネイティブに近い速さのスピーキング力が得られますよ。
リダクションの練習法・おすすめ教材
リダクションは頭で理解していても、すぐに聞き取れたり、話せる訳ではありません。
練習を繰り返すことで、体に定着して意識しなくても、自然とできるようになります。
そこで、おすすめの練習法を紹介します。
音読トレーニング
音読は、ただ自分の声で英文を読むことではありません。
どの発音ルールが使われているか確認したり、強弱・イントネーションを意識してオーバーラッピング(重ねて言う)などの手順をすると、効果が出ます。
詳しいやり方やレベル別の教材は、こちらで説明しています!
おすすめ音読教材
今ここで一番のおすすめを教えて!という方のために、English Journalを紹介します。
English Journalは、リスニング強化や音読練習のための雑誌で、やり方や解説がとても分かりやすく、中級者におすすめです。
私もこれで音読練習をして、TOEIC80点アップしました!
練習アプリ
トーキングマラソンは、英会話練習ができるスマホアプリです。
AIを使った音声判断機能があり、一人で気軽に繰り返しフレーズを練習できます。
辞書や英語学習教材を作っている、株式会社アルクが出しています。
英語をフレーズごと“まるっと”覚えられる&発音も上手くなる【トーキングマラソン】まずは2週間無料でお試し!
発音スクール
自分の発音の癖・間違いを知って練習したい人は、発音スクールがおすすめです。
最短2ヶ月でネイティブ英語がマスターできる!【ハツオン】では、英会話スクールとは違い、発音に特化した個人レッスンが受けられます。
受講料はかかりますが、専門家に見てもらうことで、自分では気づかない視点でアドバイスがもらえます。
まとめ:リダクションを使うと速く話せる
リダクションとは、特定の音や単語を脱落させたり、弱く言う、英語の発音ルールです。これにより、英語がより言いやすくなり、速く話すことが出来ます。
みなさんもリダクションを習得すれば、ネイティブの速い英語を聞きとったり、スラスラと話せるようになりますよ!