英検かTOEIC、どっちを受けるべき?徹底的に比較してみた

英検とTOEIC(トイック)の違い
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混乱しやすい英検とTOEIC(トイック)ですが、実は大きく違います。

そこでこの記事では、2つの違いを分かりやすく解説します!
また、パターン別に受けるべき方も説明するので、これを読めば、みなさんがどちらを選べばよいかも分かりますよ。

【この記事で分かること】
・英検とTOEICの難易度や試験内容の違い
・どっちを受けるべきか
・受験する際に気をつける点
プロフィール
プロフィール
M

・TOEIC960点
・元大手英会話スクール講師
・アメリカ留学(高校/大学 計2年)

英検とは

英検(実用英語技能検定)は、日本英語検定協会が運営している、日本人向けの英語検定です。

公式英検HPによると、2021年度の志願者数は約410万人(英検IBA、英検Jr.含む)。5~1級の7レベルに分かれていて、小学生~社会人までの受験者のうち、特に中学・高校生が多い(約300万人)です。

また、入試で優遇されることや筆記以外にも、面接や英作文があることも特徴です。

TOEICとは

TOEIC(トーイック)は、国際ビジネスコミュニケーション協会が運営する試験で、日本だけでなく、世界各国で実施されています。

2021年度の受験者数は、約230万人(TOEIC Program合計数)(TOEIC公式HP参照

主に、就職やキャリアアップの目的で受験する、社会人や大学生が多いです。

TOEICには書く力と話す力を測る Speaking & Writingというテストもありますが、この記事では、一般的にTOIECと呼ばれるListening & Reading Testについて紹介します。

英検とTOEICの比較

まずは簡単に、英検とTOEICの特徴を比較してみましょう。

英検
TOEIC
レベル分け
英検7レベル
5~1級
レベル分けなし
990点満点
技能
4技能
(読む/聞く/書く/話す)
基本2技能
(読む/聞く)
問題内容
日常生活・社会問題 ビジネスで使う内容
難易度
・1級はTOEICより難しい
・英作文/面接で社会問題への意見を述べる必要がある
・単語・文法は英検準1級レベル
・問題数が多く完答が難しい
実施頻度
・毎週(3級~準1級)
・年3回(全ての級)
基本的に毎月
受験者
主に小学生~高校生大学生・社会人
資格取得の目的
中・高・大学受験就活、昇給

1つずつ、違いをそれぞれ詳しく解説していきます!

レベル分け

英検 【5級~1級(7レベル)】
TOEIC【レベル分けなし(990点満点)】
英検 【5~1級(7レベル)】

英検は5級、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級

と7つの段階に分かれていて、合否があります。

 

TOEIC 【レベル分けなし 990点満点】

TOEICは段階分けされていません。そのため、英語初心者も上級者も、全員同じテストを受けます。
TOEICが難しいと言われるのは、これも大きな理由です。

また合否はなく、990点満点でスコアがでます。

測る技能

英検:4技能
TOEIC:基本2技能
英検【4技能】
リーディング(読)、リスニング(聞)、ライティング(書)、スピーキング(話)の4技能を試す

ただし、下の2つの級(5級、4級)の試験はリーディングとリスニングのみです。

また、3級~1級は従来型の試験の場合、一次試験と二次試験に分かれています。
一次試験で合格した人だけが、二次試験で英語面接(スピーキングテスト)を受けます。

2021年度から始まった「S-CBT」という新型の試験タイプでは、一次・二次に分かれていた従来型と違い、スピーキングテストを含む全てを、全員が同日に受けることができます。
TOEIC【基本2技能】
一般的にTOEICと呼ばれているテストは、リスニング(聞)とリーディング(読)のみ

ただし、知名度は低めですが、TOEIC S&W(スピーキング&ライティング)という種類もあります。

ほとんどの人はリスニングとリーディングのみのTOEICテストを受験します。
そのため、「話すのは苦手だけどTOEICスコアが高い」という人も多く、スコアと実際の会話力は必ずしも一致しません。

就職の際、一部の会社(面接官)はTOEICスコア≠スピーキング力と理解しているため、履歴書のスコアを見たうえで、実際の会話力を尋ねることもあります。

試験内容

英検:日常生活・社会問題について
TOEIC:仕事で使う英単語・表現、シチュエーション
英検 【日常生活・社会問題について】 
日常生活(5・4級)や社会問題(3~1級)を取り扱っている

最近では、ITやAI、環境問題に関する問題が見られます。

3級以上はTOEICとは違い、英作文や二次面接では、それらに対する自分の意見を答える必要があります。
全く知識がないと意見を言えないため、英語知識だけでなく、日頃から試験対策としてニュースに関心を持つ必要があります。

 

TOEIC 【仕事で使う英語】
仕事で起きるシチュエーションや、使われる英語表現が問題の内容

同僚との電話のやりとりや、店員と客の会話、クライアントとのメール内容が問題になっています。

そのため、高校生や大学生にとっては、日本語でも馴染みのない「経理」「部署」と言った単語が出てくるので、最低限のビジネス知識も必要になります。

 

難易度

単語・文法レベル:英検準1級≒TOEIC
問題数、解くスピード:英検<TOEIC
英検【単語、英作文、面接が難しい】
英検1級は単語知識、書く力、話す力の面ではTOEIC満点より難しい

英検は易しい5級から始まり、TOEICはレベル分けがないので一概には難易度を比較できませんが、英検1級とTOEIC満点を比べた場合、1級の方が単語力、書く力、話す力という面では難しいです。

単語・文法のレベルは、英検準1級とTOEICで使われるものが同様のレベルです。

1級の出題語彙はTOEICより難しく、ネイティブも使わない単語も出ます。

また、TOEICと違い3級以上は英作文や面接があることも、英検の難易度が高いと考えられる点です。

TOEICでは聞く力と読む力のみが必要ですが、英検では書く力と話す力も要するので、4技能バランスよくできなくてはいけません。

以下の表は英検英作文の課題です。

文字数
お題の例
3級
25語~35語夏祭りに行くのが好きか (2022年度第1回)
準2級
50語~60語勉強中にスマホを使うのは良いと思うか(2022年度第2回)
2級
80語~100語海外から日本に労働者を受け入れるべきか(2022年度第2回)
準1級
120語~150語インターネットの情報を信用すべきか。2つの理由を使って解答。【学習/ニュース/ネットショッピング/ソーシャルメディア】(2022年度第2回)
1級
200語~240語人間社会は常に環境にネガティブな影響を与えるか否か(2022年度第2回)

このように、英検はTOEICと違い自分の意見を求められます。

 

TOEIC【仕事の英語表現、問題数の多さは英検より難しい】

先程も触れたように、TOEICは仕事で使う英語が出題されます。

そのため、「place an order 注文する」「advertisement広告」「investigation調査」といったビジネスに関する単語知識が、英検以上に必要になります。

また、TOEICの大きな特徴に問題数の多さも挙げられます。

リスニングとリーディング含めて合計200問を、2時間で解きます。そのため全問答えるには、一問10秒で解く問題も出てきます。

英検は特に5級~準1級は時間が余る人が多いのに対し、TOEICは満点取得者でも最後まで解き終えるのは時間との勝負になります。

TOEICは時間管理やスピードアップのテクニックも試験対策に欠かせないため、その点では英検よりも難しいです。

試験の実施回数

英検:5、4、1級は年3回/3級~準1級は毎週実施
TOEIC:基本毎月
英検【3級~準1級は毎週実施】
英検は2つの受験タイプがあり、実施回数が異なります。
①従来型:年3回(6月、10月、1月頃)受験が可能
②S-CBT(新型):毎週実施しており3級~準1級のみに対応

どちらの形式でも正式な資格がもらえるため、特に受験日と部活が被ってしまう学生などは、S-CBTで受けることで受験の機会を増やすことがおすすめです。

 

TOEIC【基本毎月】
TOEICは原則毎月1回実施しています。
ですが、2021年までは年に計10回で実施しない月もあり、2022年は増設して同月に2回実施する月もあります。
「受験するつもりだった月に、実施していなかった・・」ということがないよう、決まった期限内にスコアが必要な人は、最新の実施スケジュールをチェックしておき、計画的に受験しましょう。

受験者

英検:小学生~高校生、初・中級者
TOEIC:大学生、社会人
英検【小学生~高校生】

中学、高校、大学の受験に有利になりやすいことから、英検は学生の受験者が多いです。

また、難易度別に級が分かれているので、低学年でも受験しやすいことも、理由の一つです。

同じ理由で、英語初級者や中級者も英検を受験します。

TOEICはレベル分けがなく、英語の基礎がないと受けても歯が立ちません。
そのため、初・中級者は英検で自分のレベルの級を受験していくと、上達しやすいです。

 

TOEIC【大学生・社会人】

一方でTOEICの受験者は主に大学生と社会人です。

「仕事に必要な英語力を測る試験」ということもあり、大学生は就活のため社会人は昇給や海外転勤のために受験します。

また、留学条件にTOEICのスコアが含まれるケースもあり、留学希望者が受験することもあります。

受験する目的

英検:学校受験
TOEIC:就活、昇給
英検 受験で有利

一定以上の英検の級を保有していると、受験で加点対象になる学校があります。

特に私立の学校では、英検資格を持っていることが有利になることが多いです。

 

TOEIC 就活、昇給に使える

TOEICのスコアは就活や転職で、英語力を示すことができます。

ただし、先程触れましたが、TOEICスコアが必ずしも会話力と一致しないため注意しましょう。

スコアが高いから英語がペラペラだと思っている企業(面接官)の場合、それを期待されて入社したものの、自分の英会話力が業務に必要なレベルに達していなくて、大変な思いをする人はいます。
また、TOEICスコアと英語の流暢さは関係ないと理解している企業の場合、英語面接が実施されることもあります。

他にも、TOEICを受験する目的として、昇給や海外転勤があります。

一定のスコアを取ると昇給できる会社や、海外転勤を条件にTOEICスコアを定めている会社もあります。

英検かTOEICどっちを受けるべき?

英検とTOEICのどちらを受験するべきか、パターン別に見ていきましょう。

小学生・中学生は英検

小・中学生は英検がおすすめ。

TOEICはビジネスの内容ということや、レベル分けされておらず小・中学生には難しすぎることから、英検を受験しましょう。

英検で使われている単語や文法は、中学・高校で学ぶことで、受験でも活かせる知識です。そのため、英検を受験することで、学校の定期テスト対策や受験対策にも繋がるメリットもあります。

また、英検で合格して次の級に進んでいくことで、頑張りが視覚化できて自信に繋がることも、小・中学生に英検をおすすめする理由です。

学校受験には英検が有効

中学や高校、大学受験をする予定の人は、英検がおすすめ。

一般的には中学、高校受験で有利になるのは英検です。
大学受験は、英検に加えてTOEICも入試に活用できる大学が増えています。ですが、英検の方がTOEICよりも対象校が多いのが現状です。

そのため、まだ志望校が固まっていない人や、受験をするか迷っている人も、TOEICでなく英検を取っておくと受験校の選択肢が増やせます。

受験する可能性がある学校の募集要項を見て、何級が加点対象になるかをチェックしておきましょう。

https://crossheart.biz/blog/test-eiken-pre2-interview-tips/.

大学受験しない高校生は場合による

大学受験の予定がない高校生は、目的に合わせて英検・TOEICを選びましょう。

日常会話力を上げたい人や、4技能(読む、聞く、書く、話す)をバランスよく得たい人は英検がおすすめです。

進学する大学で、入学時にクラス分けでTOEICやTOEFL iPTを実施している場合や、大学卒業にTOEICスコアが必要な場合は、今からTOEICを受けておくと良いです。

大学生はTOEICがおすすめ

大学生はTOEICを受けるのがおすすめ。

TOEICスコアを持っていると就活で有利になります。ただし、応募する企業によりますが、一般的には700点以下だと英語力が高いというアピールとしては薄いです。

特に、英語系の学部に入っている人は、最低でも700点ないと、大学でちゃんと学んでいたのか?と思われてしまうことがあります。

また、TOEICは一度目は慣れていなくて実力が出せないので、出来るだけ早い時期から受験しましょう。そうすることで、就活時により高いスコアを提示することが出来ます。

https://crossheart.biz/blog/study-toeic-school-top5/.

社会人は目的により選ぶ

社会人は目的によって、英検かTOEICどちらを受けるかを選びましょう。

日常会話力を上げたい人や、4技能(読む、聞く、書く、話す)をバランスよく鍛えたい人は英検がおすすめです。

一方で、仕事のメールで英語を使う人や、ビジネス用語や表現を身につけたい人、就職・転職・海外転勤の選択肢を広げたい人は、TOEICがおすすめです。

まとめ:英検かTOEICは目的に合わせて受けるべき

特に難易度に関しては、英検かTOEICどちらが難しいか一概に言えず、それぞれの特徴があります。

なので、自分の目的や状況に合った方を選んで受験することを、おすすめします!

英検を受けた方がいい人

  • 段階を踏んでレベルアップしたい人
  • 4技能(聞・話・読・書)伸ばしたい人
  • 学校受験をする予定の人
TOEICを受けた方がいい人

  • 就職・転職・昇給の選択肢を広げたい人
  • ビジネス英語を使う人

TOEICを受けたいけど、まだ踏み切れない人は、こちらを参考にしてください!

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