留学で失敗した人を何人もいます。中には、問題が大きくなって強制帰国になった人もいます。
もちろん失敗も大事な経験ですが、取り返しのつかない事態や、ストレスで病んでしまっては悲しいですよね。
事前に知っていれば、回避・対処できることもたくさんあります!
せっかく時間もお金も使って行くのだから、これから留学する人や現在留学中の人の、「何も学べなかった留学」を無くしたい。一人でも多くの人に濃い経験をしてほしい。と私は強く思っています。
そこでこの記事では、今まで聞いた200人以上の留学体験談や、私自身の2度の留学経験を基に【失敗談】を紹介します。
・留学で失敗したくない
・ちゃんと英語が話せるようになりたい
・濃い留学経験にしたい
留学の失敗事例
早速、実際にあった11個の失敗談を紹介していきます。
失敗しないための解決法も書いているので、ぜひ参考にしてください!
英語が上達しなかった
人によって成功・失敗が特に大きく分かれるのが、英語の上達度。
もちろん留学期間も大事ですが、一年以上海外にいても話せるようにならない人もいます。
特に受け身の人、完璧主義の人や、間違えるのが恥ずかしい人は失敗しやすいです。
【失敗談】
一年間のアメリカ留学をしたKくん。一応事前に英会話レッスンを受けていましたが、「留学に行けば話せるようになる」と思っていたので、そこまで本気で勉強してはいませんでした。
留学が始まると、想像より英語の会話が難しく、思ったように話せませんでした。
間違えるのは恥ずかしいから、頭で英文を考えてから話したり、授業中も挙手はせず、聞かれたときだけ答えていました。
友達やホストファミリーとも、自分から話すのは勇気が要るから、話しかけてもらうのを待つ毎日。
それでもKくんは「自分なりに頑張っていれば、英語は上達するはず」と思っていました。
いざ帰国するとき、自分より英語ができなかったはずの子が、自分より流暢に話せるようになっている、と気づきます。でももう留学期間は残っていなく、そのまま帰国せざるを得ませんでした。
英語を使う機会が全然なかった
授業以外は放課後や週末も英語に触れる機会が少なくて、想定外・・というケースも多いです。
特に、フィリピンやマルタなどの「母語が英語じゃない国」に留学すると起こりやすいです。
マルタで2ヵ月留学。前半は語学学校に通って、後半はインターンをしたJさん。
授業はもちろん全部英語だけど、クラスメイトはほとんど韓国人と日本人。休憩時間は韓国語と日本語が飛び交っていて、放課後もその仲間で遊ぶから、英語を使うことが少ない。一人で街に出ても、現地の人が使うのは主にマルタ語やイタリア語だから、バスや電車のアナウンスも、スーパーで聞こえる会話も英語じゃない。マルタは英語が話せる人が多いって聞いて選んだけど、この状況は想定外。
英語が母語の国を選べば良かった・・・。
日本と変わらない生活を送る
留学先でも、日本と変わらない生活をしてしまう人は、意外と多いんです。
客観的に見ると変だと分かりますが、いざその立場になると、留学への目標をしっかり持っていないと、起こりやすい失敗です。
今から紹介する体験談を見て、みなさんならどう生活するか、ぜひ考えてみてください!
【失敗談】
一年間アメリカの高校に留学したTちゃん。現地ではホームステイをしていました。
留学当初の彼女の英語力は、会話についていくのに必死なレベルで、当時の私と同じくらい。
Tちゃんの生活は、今までの習慣通りに、毎日朝と晩にシャワーを浴びる。
食事は、日本から和食をたくさん持って来ていたので、いつでも日本を感じられて安心。
夜は部屋に籠って、日本の家族や友達とビデオ通話。
数ヵ月後、Tちゃんはホストファミリーと上手くいかずに、家族を変更することに。
ホストファミリーはシャワーの使用時間が長いことや、部屋に籠ってファミリーと関わろうとしないこと等で困っていたのが理由でした。
さらに、一年後帰国する時、私とTちゃんの英語力には自分たちでも分かるほど差が出来ていました。
初めは同じレベルだったのに、発音も流暢さも聞き取れる量も、私の方が顕著に伸びていました。
ホームシックで毎日辛い
ホームシックが心配な人や、現在まさにホームシック悩まされている人もいると思います。
たしかに知り合いもいない場所で、言語も文化も違う中一人で頑張るのは、苦しくて寂しい瞬間が何度もあります。
ですが、留学で辛いと感じたこと9つ【乗り越えて得られたもの4つ】の記事でも話していますが、ホームシックはみんなが体験します!英語も十分操れて留学経験済み、自信があった私も、2度目の留学で初日からホームシックになりました。
そんな、誰もが陥るホームシックですが、どう対応するかで「留学成功」の明暗が分かれます。
SNSで日本の友達の様子は常にチェックしていたAさん。みんなは日本で楽しんでいるけど、自分は近くに友達や家族がいなくて寂しく感じていました。なので、寂しくならないように友達と常に連絡は取っていて、上手くいっていないルームメイトとの悩みも聞いてもらっていました。
その度に「やっぱり、日本の友達みたいに心から信頼できる友達は、こっちにはいないな・・」と実感してホームシックに。それが毎日辛くて、留学を楽しむどころか、早く帰りたくて帰国までの日数を指折り数えていました。
お酒・ドラッグで強制帰国
違法行為には、十分注意しましょう。現地の友達もしているからと軽い気持ちでも、それをホストファミリーや学校に知って直ちに帰国になるケースもあります。
私が留学中も、ドラックが理由でクラスメイトが帰国になりました。
国や州によって法律は異なるので、特にお酒の年齢は確認しましょう。
【失敗談】
高校留学中、学校で友達もできて、毎日楽しく過ごしていたGくん。
放課後や週末もいつも遊びに誘ってもらって、仲間として迎えてもらいすごく喜んでいました。
ある時、友達の家で集まって遊んでいて、みんながお酒や薬をし始め、Gくんも誘われたそうです。
仲がいい友達だし雰囲気も壊したくなくて、少しだけと思って参加しました。
その時、友達の親が帰宅して、お酒や薬をしていたことがバレてしまいます。
部屋に何人もいたので学校に報告が行き、Gくんのホストファミリーにも連絡が行きました。
その二日後、彼の帰国が決まったと私たちクラスメイトにも知らされ、挨拶もできずに帰ってしまいました。
Gくんはクラスでも人気者で、ホストファミリーにも先生にもとても可愛がられていたので、まさかすぐに帰国になるとは思わず、みんなショックを受けていました。
周りに日本人ばかりだった
せっかく留学に行ったのに、学校でも放課後も日本人ばかりのコミュニティだった、という人は多いです。
「日本人を避ける必要はない」という人もいますが、お金も時間も使って留学しているので、【日本ではできないこと=他国の人との交流】を楽しむべきだと、私は思います。
【失敗談】
オーストラリアの語学学校に留学したYさん。
いざ行ってみると、学校は想像以上に日本人が多くてびっくり。一人と仲良くなると、紹介してくれてどんどん日本人の友達が増えていきました。
バイトも、その友達が「働きやすいよ」と教えてくれた日本食レストランにしたそう。
一緒に働く人とも日本語で話し、お客さんも日本人の比率が高め。
気づいたら、学校や放課後も日本人のコミュニティの中にいて、バイトでも英語を使う機会が少なかったそうです。でも途中から、新しく現地の人と仲良くなれる場を探すのも難しくて、「失敗した・・・」と感じたYさん。
友達が全然できなかった
友達作りも、言語が違うと一層難しくなります。
なかなか友達ができなくて、精神的に本当に辛い毎日を過ごした人もいます。
【失敗談】
留学生だから、学校ではみんなが声をかけてくれると思っていたら、大間違いでした。
日本のようにクラスはなくて、授業ごとにメンバーが違うので、友達をつくりづらい状況。
みんなはすでに仲良しのグループができていて、お昼に誘ってくれる人もいない。
そこで頑張って挨拶をしてみても、その後の会話が速くて聞き取れない、の繰り返し。
こんなはずじゃなかったのに・・・。
授業に全くついていけなかった
語学学校でも現地の学校でも、全て英語で授業を受けるのは決して簡単ではありません。
想像以上についていけなくて、落ち込んでしまった人を何人も見ましたし、私もそうでした。
【失敗談】
私が1年間高校留学をした際、最初の3ヵ月は授業がチンプンカンプンでした。
先生の話を聞き取るのも、板書を読み解くのも、宿題が何かも分からない状態。
先生は心配して声をかけてくれましたが、何が分からないかも自分で分からず、手助けすら断っていました。
友達にもホストファミリーにも「分からないから助けて」と言えず。でも授業にあまりについていけなくて、毎日とても辛かったです。
今思うと、周りもどう助けてよいか分からず困らせていたはず。強がっていたプライドを早く捨てて、人に頼っていたらあの状況は絶対に変わっていたと思います。
寮で一人の時間が無くて、毎日ストレス
留学する国や、学校、宿泊形態選びを間違うと、留学が台無しになることも。
その一つの例が、寮で自分の時間が持てず、ストレスで交流や勉強を楽しめなかったケースです。
【失敗談】
語学留学をしていたKさん。少しでも留学費を抑えたかったので、相部屋の寮を選びました。
せっかく留学するから、ルームシェアなら他の学生との交流も大事だと考えたのも、理由でした。
ですが、実際に寮生活が始まるとストレスで辛い毎日でした。
日本でも自分の時間が欲しいタイプで、遊びと一人の勉強時間も必要だけど、部屋には常にルームメイトがいました。夜も早く寝たいけれど、ルームメイトがずっと電話していて寝付けず。リビングも人の出入りがあって落ち着かず。自分の考え方の問題だから相手にも言えず、ストレスの積み重ねで辛かったそうです。
学校で後輩の腕を掴んだら、直ちに強制帰国
無意識にやった行為が「暴力」と見なされて、留学が強制中止になった人もいます。
日本とアメリカでは暴力に対する認識が異なるので、注意が必要です。
グラミー賞授与式でウィル・スミスが司会者に平手打ちをして、大批判された事件を聞いた人もいるのでは。
「妻の病気を皮肉的にジョークにした司会者も悪い」と日本人は思いますが、アメリカでは暴力は何よりも許されない行為です。そのため、最終的にはウィルだけが謝罪文を出すことになりました。
みなさんも、思わず手を出してしまって帰国沙汰にならないよう、気をつけましょう。
【失敗談】
アメリカに高校留学をしていた高3のKくん。
自分より学年が下の生徒に、リスペクト心のない行動をされて困っていました。
口で言っても辞めてもらえず、腕を掴んで止めようとしました。相手にケガもありませんでしたが、そのことが校長まで伝わり、会議に。
私(筆者)のホストマザーは校長だったので、意図的な行動ではないことや、彼の言い分も聞いてあげてほしいと伝えましたが叶わず、一週間後には退学&帰国になってしまいました。
課題のレポートでコピペして停学処分
大学留学をする人が特に注意すべきなのが、コピペしてレポートを作ることです。
もちろん日本でも悪いことですが、英語ではPlagiarismという行為に当たり、海外では停学や退学処分にもなる程重い罪です。
少しならバレないと思うかもしれませんが、教授は簡単にチェックできるソフトを持っているので、提出したレポートは全て調べられています。
【失敗談】
アメリカの大学に留学したHくん。日本の大学の比にならない量の課題を毎日必死にこなして、授業もサボらず課題も欠かさず提出していました。
ですがある日、教授から呼び出しのメールが。行ってみると学長もいて、Plagiarismが発覚したので処分を考えているとのこと。
Hくんはレポートを書くとき、文献から言葉を少し入れ替えたり、語順を変えるようにしていました。
実は、そのままコピペせずに似たような文でも、Plagiarismに該当します。他にも、文献から学んだこと一つ一つに出典を記載していなかったことも原因でした。
まとめ
以上、11個の留学失敗エピソードを紹介しました。
出発前に今からできることをまとめると
・自分に合った国/学校/宿泊形態選びができる
・初日から積極的に行動でき、時間が無駄にならない
・上位のクラスに入ると、日本人が少ない
・日本人以外のコミュニティで交流を広げられる